「三日月」

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「三日月」

「兄ちゃん。」 いつもと変わらない声だった。 「・・・んだよ。まだ起きてたのかよ。」 俺は仕事の手を止めた。 スマートフォンを首と肩の間に押さえ、通話を続ける。 「もう18だぜ。普通だろ。」 「バイト代飛ぶぞ。携帯代ばかにならないんだからな。」 「へいへい。」 いつもと変わらない声だった。 「一人暮らしには慣れた?兄ちゃん。」 「全然。そっちは?」 「お互い様。」 いつもと変わらない声だった。 「なんだか寂しくてさ。電話した。」 「うん。」 「・・・」 「・・・」 「・・・いや何か言えよ。」 「特に考えてない。」 「あぁ?」 「何か話して。」 いつもと変わらない声だった。 「気持ち悪っ」 「いーからいーから。」 えぇ・・・
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