「三日月」

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「・・・めっちゃ月きれい。」 「ん?」 「めっちゃ 月 きれい。」 「え?」 「だから、めっちゃ月」 「いや、聞こえてるから。大丈夫。」 いつもと変わらない声だった。 ケラケラとした笑い声が聞こえる。 「・・・なっ・・・何笑ってんだよ!!」 「だって・・・www 何を言い出すかと思ったら・・・www」 「しょーがねーだろ!これしか話すことねーんだから!」 「兄ちゃん。」 「ん?」 「女の人に『今夜は月が綺麗ですね』っていうと、それ『愛してます』って意味なんだって。」 「・・・え、マジ?」 「マジ。現代文でやった。」 いつもと変わらない声だった。 「・・・いやちげーぞ!!そういう意味じゃ!!」 「兄ちゃん。」 「あ?」 「今夜は 月が 綺麗だね。」 「・・・は?」 「そんだけ!おやすみ!!」 いつもと変わらない声だった。 俺は 呆然とする。 ・・・ちくしょう。 知ってたよ。 そのくらい。
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