白い虹

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雨上がりの晴れ間に、一度、もの凄く大きな虹を見たことがある。 端から端まではっきりと見えるそれは、壮大で、すぐに消えると分かっていても、消えないで、そう願った。 それぞれの色が、空にくっきりと浮かび、その美しさに誰もが足を止めた。 老いも若きも魅力する幻想的な一瞬だった。まるで、絵本の主人公になったような、“虹の向こう”に行けそうな、“虹の端”に埋まる何かを手に入れられそうな……。 わくわくする、そんな光景だった。……虹は色があるから綺麗なんだよね。あんなにも心を捉えて離さない。
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