1 encounter

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その日はとても豪華な食事が食卓を彩った。 私はどうぞどうぞと勧められスープを一口飲んだ。 「おいしい……」 「だろっ!」 彼は満面の笑みだった。 「あの………それで名前は………」 「あっ!そうだった。」 「ねぇ、どうするの?」 あまり口を開いてなかった方の彼が言う。 「うーん……やっぱりあっちの方な!」 「……了解。」 何が了解なのだろう。私には理解できなかった。 「じゃあ自己紹介しよっか。俺は”リン”。で、こっちが」 「”イー”。よろしく。」 「で!お前は”アール”!!!」 「えっ………なんで??」 勝手に名前を決められた。よくわからない。 「俺達は盗賊団。物を盗むことで生活してる。で、これはコードネーム。俺達とお前は本名を知らない。これならいつ裏切っても身バレすることはない。」 「そういうこと。」 「そんな冷たい関係なんだ……」 でも私も二人のことは知らない。今日会ったばかりなのだから。 「お前も何しても本当の名前は知られてないし、だから俺らに縛られることもない。いつこんな盗みの世界抜けだしても大丈夫ってわけ。」 「……わかった。じゃあこれから私はアールってことか。」 「うん。よろしくな!」 「よろしく。」 私はこうして新しく盗賊団の一員となった。 未だに不安もある。 しかし私はこうしないと生きていけないのだ。
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