2 incident

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私が彼らの仲間になって数カ月がたった。 私達は相変わらず変わらない差別社会で盗みを続けていた。 「よし!今日はあのヒゲ生えたおじさんの店から肉盗んでこようぜ!」 この盗賊団ではリンがリーダーだ。 だいたい朝リンが言ったところに物を盗みに行く。 今まで何回か警察に捕まりそうになることもあったがなんとか抜け出してきた 「今日も失敗しないようにね。」 イーが私の方に視線をやりながらスープをすする。 「うっ………今日は失敗しないもん!」 イーは相変わらず私には冷たい。 しかし昨日の盗みは私が失敗したために夕ご飯は全員抜きだった。 それはさすがに申し訳ないとはおもってる。 「お前もそろそろ体力つけたり武器の扱いとか練習しなきゃな。俺らばっかり盗みがうまくなってもな!」 「本当にね。」 と言って二人に笑われる。 「………教えてください…」 「え?なになに?」 ………イーのやつめ。絶対に聞こえてた。 「だーかーらー!教えてほしいの!!」 「可愛くお願いできたらな。」 私に一番難題そうな問題をぶつけてくる 私はできる限り自分がかわいいと思える声をだす 「………お願い!」 「うーん。0点かな。アール、お前ほんとにそういうのできないよな」 と言って笑ってくる。こいつめ……… 「そうかなー?俺は可愛いと思うよ?」 リンはなんの抵抗もなしにそういうことを言ってくる。 そのたび私はドキドキしてるのだ。 「この目つき悪いのもなんかいいよなー」 と言ってつり上がった私の目尻を指でなぞる 「……やめてってば!!」 「おー怒った怒った」 そう言ってまたリンとイーに笑われる
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