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「お腹空いたな…」
家を出てきてから一日たった。
出てきてからまだご飯は一回も食べていない。
家にある僅かな金は盗んできた。
その金で何か買おう。
そう思い市場の方へと向かった。
市場。
そこは夢が詰まったようなところだった。
今までに母の買い物についてきたことが2,3度あったが一人で来るのは初めてだった。
ここは貴族もたまに利用するため貴族の管理下にあり、あらゆるものが何でも揃う。
しかし国民の殆どは買うお金を持っていない。
ひどくつらい現場で働いた僅かな金でものを買い、仕事で疲れたあと田んぼや畑に飛び出し生計を立てるために米や野菜をつくる。それを売ったりして金を儲けるのだ。
あまりにひどいこの生活はこの国では常識だった。
とりあえず食べ物屋。そして体を休められる場所を探しておきたかった。
昨日は一日歩き回っていた。そろそろ疲れと眠気が激しかった。
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