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食べ物が売っている店まで来た。
ここは母と来たことがあるところだった。
私はパンと水を手に取った。
「これでやっていけるのかな…」
パンと水を買い終わると家からこっそりと盗んできた大抵のお金がなくなってしまった。
ここのお店は市民でも買えるような食材がたくさん揃っていることが売りだったが、所詮は貴族も使う店。ただの市民が使うにはやはり高いものが多かった。
幸先思いやられていると
ドンッ
人と思い切りぶつかる。黒髪の男の子だ。
「ごめん!」
そう言いつつ去っていく。
その後すぐに店員の声が店の中に響きわたった。
「こら!!待て!!ふざけるな!!!!」
そして今ぶつかった男の子のほうに怒鳴り付け
追いかけていく。
あの男の子がなんか盗んだのかな…
ここではそんな犯罪は日常茶飯事だ。
私と同じくらいの年齢であろうような子まで盗みを働く。そうしなければ生きることが難しいのだ。
私も家を出た限りあのように犯罪に手を染めなければ………
そのことを思うと私の中ではどす黒い汚い感情がうごめいているようだった。
私には覚悟が足りなかったのかもしれない。
一人で生きていく覚悟が
けど私は決めたんだ。この世界で生きていくと。
私は決意をより強くした。
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