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しばらくふわふわのソファーの上に座っていた。
彼は台所で何か作ってくると言って台所に向かった。
私は部屋を見渡す。
このふわふわのソファー、木製のきれいな棚、机、まるで貴族がこの洞窟に住んでいるようだった。
「驚いただろ。その木の家具なんかはだいたいあいつが作ったんだぜ!」
「えっ………」
すごいハイスペックなんだな……
「そのソファもあいつの家具売って買ったやつだし!あいつ元の家が大工らしいんだよなー」
「すごいね……」
そんな話をしているとドアが開く音がした。
「ただいま。」
「おっ!おかえりー!」
「誰それ」
冷ややかな視線を送られた。
「家出してきたんだって。」
「……こんばんは。」
とりあえず挨拶をしたが次の言葉が見つからない。
「こんばんは。家出とか本当?早く家帰ったら?」
「お前……言い方もっと優しくしろよ。ごめんな!こいつ目つき悪いのに言い方きついから勘違いされやすいんだ!でも本当はめっちゃくちゃいいやつだしお前のこと心配してるだけだから。」
私は少し怯えていた。その冷たい言い方はどこかうちの父親に似ていた。
父親も言い方が冷たい人でいつも私は嫌いではなかったがどこか怯えていた。母は人当たりいいが父にはあまり言い返せない。だから父が働きにいけと言ったとき私はとても傷ついたのだ。
「怯えるなよ。ほんといいやつだから。」
そういって彼に頭をまた撫でられる。
彼の手はとても落ち着く。
「うん。」
「よし!とりあえずご飯食べよう。今日はいっぱい盗めたから豪華だよ!歓迎会も兼ねて!」
そう言って彼は台所にはいり、もう一人の彼も手伝うと言って台所に入っていった。
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