キャッチボール

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ーーで、何時にどこで会うんだ? 俺が勝手にメッセージを送ると、間もなく泣いて喜ぶブタのスタンプが送られてきた。可愛いな。くそー、羨ましいぞ。 「お前っ、何やってんだよ」 千葉が鬼のような顔でスマホを覗き込み、みのりんの返事に赤くなった。 「ほらな。お前って、威勢よく見える割にビビリだよな」 悔しかったから、意地悪を言った。 「……俺が何回会おうって言っても、会ってくれなかったくせに」 「8月末までだろ?」 いじけた千葉に、俺は笑った。スマホの画面にはみのりんが送ってきた待ち合わせ場所と時間が表示された。 「感謝しろよ」 「……さんきゅ」 千葉はスマホの画面を見つめて、今にも泣きそうなのを必死に我慢している。 千葉の背中を見送って、俺は苦笑いしながら溜め息をついた。でもいいや。相手があいつなら。 俺はスマホで、二人以外の他の部員全員にグループメッセージを送る。 今日の夜8時。〇〇町の△△公園の丘に集合な。 その際、炭酸ジュースを思い切り降ったやつ持参。 千葉とみのりん用。 すぐにハートブレイクしたスタンプが送られてきた。なんでこんなの持ってんだよ、キャプテン。お前らしいな。 続いて柏田が「俺3缶くらい持ってくる。泣」と。 千葉への恨みつらみと羨望と、祝福のメッセージが次々と送られてきた。 覚悟しろよ、二人とも。 な? 俺って優しくないだろ。 今日は月が花火に負けてしまう日。あの優しい明かりは、俺のためだけのものだったんだ。 さあ、炭酸ジュース買いに行こう。 〈おわり〉
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