夏祭り

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許してくれよな。 そう言った俺に、みのりんは困ったように笑って頷いた。その後、俺たちはゆっくりと階段を降り、宴が終わりかけの、寂しさの間を抜けて広場を出た。 みのりんを送った後、俺はチャリンコにまたがって風になった。 溢れた涙が後ろに散って耳に入る。 「わああああああああ!」 窓から車内の光がこぼれる電車と並走しながら、思い切り叫んだ。 夏は終わったんだ。 野球も恋も、全部。
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