いなくなったあの子は

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「アミ、私……、リョウ君と付き合うことになったの」 リョウ君と晴れて付き合うことになった次の日の朝。 私は親友のアミにそのことを報告していた。 アミはえくぼが目立つ可愛い女子で、家が近いこともあり、私とは昔からの親友だ。 最近は私とアミの身長差が十センチ以上あることもあって、姉妹に見られることもある。 「……ほんとに?」 アミは心から驚いた表情をしている。 当たり前だろう。 「うん。リョウ君から告白されて」 「そう、よかったね、ユウカ」 そう言ってアミはにっこりと微笑んだ。 私も「ありがとう」ととびっきりの笑顔を返した。 すると、アミが言った。 「お祝いしたいな。ユウカは今日の放課後空いてる?」 「空いてるよ……リョウ君のお誘いがなければ」 私はアミにそう言ったものの、リョウ君は今日、塾に行かなければならない日だと知っていた。 「そっか。じゃあ、空いてたら私の家で!」 「わかった。楽しみにしてるね!」 私はアミとにこにこ笑いあった。
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