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「いいじゃん、月岡さん。仕事できるよ」
「好みじゃないんじゃあ!」
世の人は若い女が独身だと聞くと誰彼構わずフリーだというだけで「この人どう?」とか斡旋してくる。言えると思うか!? 「私暑苦しい人嫌です」って言えというのか! あいつでも上司なのに!
「皆さ、真面目でオクテな夜透子が早く幸せになって欲しいって思ってるんじゃないの?」
タレ目で黒髪でなんちゃって清楚な顔立ちの私は、結構な高確率で深窓の令嬢かなんかだと誤解されてしまう。
「100歩譲って真面目かもしれんけどね、オクテではないからね! 好みだったら普通にいくからね!」
そして月岡さんも私のことを「清楚なお嬢さん」だと思ってそうだから嫌なのだ。職場の上司だから丁寧に振舞ってるだけなのにまるでお気づきでない。
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