高校生×幼馴染=恋の予感

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「悪い・・・俺、今日休む・・・」 いつものように朝、市太を起こしに来た架。 市太の青白い顔を見て、その額に手を当てる。 「結構 熱ある」 「・・・すげー寒い」 「これからまだ上がってきそうだな~。病院は?」 「あまりにしんどくて夜中に救急行った。風邪」 「そっか」 「平気か?ひとりで」 自分の体よりも俺の事 心配してくれんの? 架は市太の優しさに胸がじわっと熱くなる。 「へーきだし。人の事より自分の体心配しろよ。しっかり寝てさっさと治せよな」 「具合悪くなったら、連絡しろよ。すぐに行くから」 「ふっ、俺より具合悪くなんだろ、それ。マジだいじょぶだから」 市太は昔からずっと変わんねーな。いつだって俺を優先してくれる。幼なじみとして大事に思ってくれる。それにずっと甘えて来たけど、そろそろ本気で離れなきゃ、いちに悪い。 二枚重ねにしたマスクを装着し、架は市太の家を出て駅へと向かう。
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