君という私は

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気付いたら一緒にいた。 話し相手で、理解者で、いつだって私の味方だった。 なのに、今はもうどこにもいない。 君にはイレモノがなかった。 だから、私の中にいただけだった。 元に戻った、元気になったと笑うのは周りだけだった。 私は、そんなの望んでいなかったのに。 私の心の中にだけ、確かに君は存在してたのがわかるのは私だけ。 「あの子はどこへ行ってしまったの?」 君は私の中に溶けてしまったのだと先生は言った。 それが堪らなく寂しかった。 病院が嫌いになった、ある夏の出来事だった。
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