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5話 がまんできない※
「ふぁっ……、あっ、んぅ……、んんっ……!」
尻の割れ目で擦られるのに合わせて、希望の腰がぴくり、ぴくり、と震える。
乱暴に犯されるものだと思っていたのに、もどかしい刺激のみを与えられ続けて、希望はただ震えて耐えていた。
えっちな反応しちゃうよぉっ……!
せめて、素股とかしてくれればいいのにっ!
いじわる!
それでも、ずりゅ、ずりゅ、と卑猥な濡れた音と、敏感になっているそこに感じる固くて大きい熱はそれだけで希望を責め立てる。
上からライの大きな手で、希望の肩をしっかりと抑えつけられているというのに、腰は求めるようにひくついてしまうし、刺激の度に身体がびくびく震えた。
「ひぅっ、んっ……、く、ぅん……!」
「……腰動いてるぞ」
「えっ! ……あっ、あぅ……っ!」
自覚しつつもどうしても抑えられなかった淫らな反応を指摘されて、希望は真っ赤になって、恥ずかしさで震えた。
希望がそっとライの様子を伺うように振り向くと、ライは呆れたように、それでも楽しそうに笑っている。
「まだ慣らしてねぇだろ、大人しくしてろ」
「う、うん……、あっ、んっ……!」
希望は素直に頷いて、耐えるように俯く。
これ以上恥ずかしい反応をしたくない、と快感に流されていた心と頭を切り替えようとする。
声も抑えようとぎゅうっと口を閉じて、唇を噛んだ。
「んっ、んぅ! んんっ……!」
それでも身体の反応は抑えきれなくて、腰はひくひくと物欲しそうに揺れる。
まだ慣らされていない蕾を熱で撫でるように刺激され、尻を揉まれながら擦られる。
それだけで身体の中で快感への期待が膨らんで、今にも爆発してしまいそうだった。
希望はふう、ふう、と息を荒くする。
声を抑えるため口を閉ざしていることで、ますます快感の逃げ場がなくなって、身体の中に蓄積されていく気がした。
も、もうだめぇ……っ
がまんできないよぉっ……!!
希望はライに助けを求めるように、振り向こうとした。その瞬間。
「……ンンッ!?」
希望はビクリッと大きく身体を震わせた。
蕾にライの固いものが押しつけられる。
ぐりっ、と押し込もうとする感覚に期待と緊張で身体が震えた。
あっ、あぁ……!
は、はいっちゃ、ぅ……?!
しかし、それは入るか入らないかのところでずりゅんと、と擦っていくだけだった。
「ァアッ?! ……あっ……、」
蕾を引っ掛けるだけで逃れていってしまった熱に、思わず声を上げ、きゅんっと腰を上げてしまった。
希望は自分の、あからさまに強請るような声と欲しがるようにライのを追ってしまった腰の動きに驚き、同時に恥ずかしくて動けなくなった。
先ほどの比ではないくらい、顔が熱くて、耳まで赤くなっているであろうことは容易に想像できる。
なんてえっちなことしてしまったんだ、はずかしい、逃げたい、と頭の中でぐるぐる回る。
黙りこんで俯く希望の後ろで、ライが、はっ、と息をつくように笑った気配がした。
希望は思わず、びくっと震えてしまい、恐る恐る振り向く。
ライは相変わらず笑っていた。
希望を見つめるライの口元は歪んで、笑みの形を作っている。
けれど、それは楽しそうとか、そういうものではなくて。
ライの暗い瞳の奥で、ぎらりと光が揺らめいていた。
「あっ……、ラッ、ライさん……!」
その瞳が怖くて、希望は慌てて起き上がろうとする。
「ねえっ、ベッドいこっ? ここじゃいやだっ! ……あんっ、んんっ!」
ライが構わず擦り続ける刺激に震えながら、希望はライを止めようと手を伸ばして訴えた。
希望が瞳を一層潤ませてライを見つめている。
蜂蜜のように甘く蕩けた眼差しには熱を帯びたままで、しっとりと濡れた唇は噛みしめていたせいか普段より一段を赤く色づいていた。
頬は恥ずかしさのせいだけではない赤で染まっている。
けれど、その希望の様子をライは何も言わずに、ただ残酷な笑みを浮かべたまま、じいっと眺めていた。
「ねぇっ、おねがい、ちゃんとベッドでっ……」
「いいよ」
ライがあっさりと承諾してくれて、希望は少し不思議に思いながらも、ほっと胸をなで下ろす。
けれど、希望が起き上がろうとすると、ライがゆっくりと希望の肩に手を置いた。
そのままぐぐ、と抑えられて、希望は再び洗面台に突っ伏すことになる。
「え、あの? ライさ……、んっ……」
希望は押し当てられたままの熱の固さと、ライの大きな手でがっしりと腰を掴まれて逃げられない状況になっていることに気づいた。
「ベッドにはいくよ?」
戸惑う希望の耳に、ライの声が低く甘く響く。
「あとでな」
「えっ?」
ずぐん、と突然の身体を貫くような衝撃に、希望は大きく身体を仰け反らせた。
「ッ――!? ~~ッァア!? あっ……はぅっ……っ!!」
希望がはっ、はっ、と酸素を求めるように苦しげに呼吸を繰り返す。
あまりの衝撃に、目の前にチカチカと光が弾けて、身体は仰け反ったままビクビクと震えてた。
目を見開いて、足がくがくと震え、内臓を抉るような圧迫感に耐える。
「はぁっ……、あっ、んっ……! くぅっ、ぅんっ……!」
「やっぱり、慣らさないときつい?」
「ぁんっ、はぁっ……! き、きつい、に決まって……っ」
「そうは見えないけどな」
「あっ! ぁあっ! やっ、まっ、ってっ……、ぁうっ!」
ライは一気に奥まで突っ込んだものを一度とぎりぎりまで抜いて、浅いところから慣らすようにゆっくりと動き始めた。
ライが少しでも動くと、希望の全身がびくびくと震え、中はきゅうきゅう、と締め上げる。
慣らされてなくて無理矢理押し広げられたことよりも、求めていたものをようやく得られたことに身体は悦び、反応していた。
背中にひたり、とライの逞しくて熱い身体を感じて、希望はびくっと震える。
「ベッドにはいくよ。でも、ここで一回ヤッてからな。我慢できないだろ?」
「あっ! あんっ! はぅっ……! ぅう……っ!」
だからなんで心読めるのこの人!
と訴えたい気持ちでいっぱいだが、それよりも何よりも、知られたくなかった恥ずかしい願いを知られていたことが希望を追い詰めた。
ぐちゅ、ぐちゅ、と揺さぶられて、求めていた熱を受け入れたそこは、先ほどからビクビクと震えて、ライを離さぬように締め付けてしまう。
「そんな締め付けんなよ。……ここで終わらすわけないだろうが」
ライの低い声に滲む情欲から、これから自分の身に起こるであろう長い夜を想像させられて、希望の背中に恐怖と期待が入り交じった感情がぞくぞく、と駆け上る。
「はっ、ぁうっ! んっ! やっ、ぁんっ……!」
「本当によく動くね、ここ」
「あっ……!」
ライが希望の腰をじっくりと手の平で撫でる。
希望の腰は先ほどから、それこそ始まりから、ずっとライを求めて艶めかしく揺れていた。
今も、自分のいいところにライの固い熱を飲み込もうしている。
希望もそれを自覚していた。自覚しているが、止められなかった。
「なんでだかわかる?」
「あっ、んんっ! な、んでぇっ……?」
「筋肉がついたからよく動くんだよ」
「……? あっ、はぅっ! ぁんっ!」
希望の中は浅いところで繰り返し慣らされた為か、強張っていた中はすっかりとろけて、ライをきゅんきゅんと締め付ける。それどころか、もっと、もっと、と奥へと飲み込もうとしていた。
ライは、希望以上に希望の身体の求めていることがわかる。
だから、希望の細腰を抑え、一気に最奥を突いた。
「――ッ!? アアッ!? やっ……! んぅっ!!」
希望が再び仰け反って身体は突然の刺激に震える。
その奥はビクビクと震えて、悦んでライを締め付けた。
足はがくがくと震えて、希望は立っているのもやっとで、なんとか耐える。
そんな希望をあざ笑うかのように、更に追い詰めようと、ライは逃げようとする腰を掴んで、ぐりぐりと奥を抉った。
「ひぁっ!? ……ンンッ! あっ、んぅっ!!」
弱い奥に、立て続けに強い快感を叩き込まれて、希望は仰け反ったままビクビクと震えた。
震える希望の背中を、ライが上から下へ、這うように撫でる。
その淡い刺激すら快感として拾って、希望は声を上げて、震えてしまった。
「あっ、だ、だめっ……ンンッ!」
「今までにない強い刺激を受けると身体は過剰に反応する。……さっきのお前みたいに」
一度引いた熱が、ぐいっ、と奥深くを突いた。
ばぢゅん、という音とともに、気持ちいいところを突かれて、希望はびくっと震えて仰け反る。
「――ッぁあ…! ああっ! んぅっ!」
「深く奥を突かれて、急に仰け反ったり、……こうやって立ったままヤられて、足が痙攣して震えたり」
ライは希望の太股の内側を強く、指が食い込むように撫でる。
白い肌の太股はライの指の形にわずかに歪むが、弾力のある肌が柔らかく押し返した。
けれど、刺激を受けた希望は力が抜けそうになって、無理矢理立とうとするとがくがくと足が震える。
足に力を込めると、中がライを締め付けてしまい、それがさらなる快感を希望に押しつけた。
「あっ、ぁあ……! やめっ、だめっ……!」
「――今までにない刺激と、それに対する過剰な反応は、慣れてない身体には負担になる」
身に余る快感に震えて、希望が振り向いた。
ライはじっと見下ろして、震える希望を構うことなく、身体中に触れ、撫でていく。
「ああっ! やだっ、もぅ……っ、んっ! ぁっ、あぁっ!」
「負担がかかった分、筋肉や神経は破壊されていく。これまでの身体は破壊されて、与えられる刺激に耐えられるように、あるいは順応できるように、新しい身体に作り替えられる。
……ここ、とかな」
「ひぁっ、ぁんっ……!」
ライが希望の太股の付け根の、皮膚の薄いラインに触れる。
優しく、指先でなぞる刺激は甘く、希望が思わず腰を引こうとするが、ぐっぷりと挿しこまれた熱い楔がそれを許さない。
希望は今の敏感な身体には毒のような甘い刺激に耐えるしかなかった。
「あっ、ひぁっ、んぅ……っ! やっ…!」
ライの指先は太股の付け根をなぞり、震える腰回りを撫でる。
腰骨を支えて、今はビクビクと震える筋肉の形を確かめるようにじっくりと指を這わせた。
「刺激に反応してよく動くから、引き締まって、より柔軟な筋肉ができてる。今じゃあ、自分からいいところ探して、求めて、よくうねる。……さっきから上手に動いてるの気づいてた?」
「――ッ……!! あっ……! や、やめっ……!」
「こっちもそう」
「ひぁっ……!?」
腰を撫でていたライが、希望の尻を掴んで押し広げる。
熱を受け入れている蕾を晒されて、あまりの恥ずかしさに、きゅんきゅんと強く締め付けてしまった。
「あっ、や、やだっ……!」
「ここも、受け入れる為に柔らかくして、快感を得る為に中はきつく締め付ける」
「――ッァア!? やっ! ああっ!」
ライは希望の反応を確かめるようにゆっくりと動いていたが、急に激しくなって、希望は再び喘ぐしかできなくなる。
ライが腰を打ち付け、希望の内部を擦りあげて、奥を突く。
その度に希望の頭の中は真っ白になった。
「やっ、ぁっ! んっ! あぁっ! ひぁっ、アッ! アアッ! んぅ……っ!」
「それでさ、お前ってイキそうになると、もっと奥へ飲み込もうとすんの」
「えっ、……そ、そん、な、ぁっ! ……あっ! アアッ! あぅっ! やっ、ひぁんっ!」
「イった後でも、中に出すと締め付けて、もっともっとってすげえ動くんだよ。孕むわけでもないのにな」
「アッ! はぅっ……! ひぁ、ぁん! んっ、ぁあっ! ァアアッ!!」
「身体がそうなってくると、頭の中も変わってくぞ。刺激に対して、最初は苦痛として処理してたのに、何もかも快感に変換して処理するようになっていく。そしたら今度は頭が『気持ちいいことなんだ』って、身体に教え込んでくれるよ。何されても」
「アッ……! ああっ! はぅっ……! アアッ! ……ァアッ!!」
「――そうやって筋肉も神経も頭も、全部壊れて、快感にすべてが支配されていく。そのための身体に作り変わる。抱かれる為の身体に」
肌と肌のぶつかる音と、ばちゅ、ばちゅ、と濡れた音も激しく、希望自身のそそり立っている雄が揺さぶられて腹にあたる刺激が脳にまで響く。
快感でぐちゃぐちゃの希望の頭の中にライの言葉だけが低く響いて、脳に染みこんでいく。
壊される。作り替えられる。何されても、気持ちよくなる。
ライの言葉が反芻される。
こわい。
自分じゃなくなるような、不安が襲う。
なのに、身体はもう気持ちいいことを求めてしまっている。
ライの『エロい身体になっている』という言葉が甦って、ドキリと心臓が震えた。
今までそんなはずはない、と否定してきたけど、もしかして、本当に?
「で、どう?」
「ふぁっ……! あんっ……!」
ライがゆっくりと希望の耳元に唇を寄せる。
優しく希望の身体を起こし、しっかりと顎を掴んで固定して、目の前の鏡を見せつける。
「ちゃんと、気持ちよくなってる?」
鏡越しに、笑っているライと目が合って、希望は最後の力を振り絞って睨み付けた。
わかってるくせに! わかってるくせに!
ひどい!
鏡に映る希望の表情は、欲情しきっていた。
トロン、とした瞳に、上気した頬はひどく扇情的だ。
眉はわずかに寄せられているが、苦しげではなく、情けなく半開きの口からはてらてらと濡れた赤い舌が覗く。
唇から零れる吐息は熱く、激しく揺さぶられる度に甘い嬌声を響かせた。
ライを睨んだところで、どうにもならないだろう。誘うように見つめたようにしか見えないほど、その眼差しは甘くしっとりと濡れている。
「――ッああっ!?」
それでも、希望の反抗的な眼差しに、ライはより一層笑みを深くして、激しく揺さぶった。
希望はなすすべなく、ただライの望むままに締め付け、甘い嬌声をあげていた。
「あんっ! ぁぁっ! も、もぅだめっ! だめっ!」
「大丈夫、大丈夫」
「やっ、こ、こわれちゃう、のっ、やだぁっ! ぁんっ!」
「大丈夫だよ」
「やっ、やだっ……! だめっ……!おかしく、なっちゃ、あぁっ!」
「大丈夫だって」
「あっ、あんっ! ラ、イさぁ、んっ、やっ! ぁあっ……!」
希望はライを睨んでいたはずなのに、いつしか縋るようにライを見つめてしまっている。
必死に助けを求めるように名を呼ぶが、ライは希望の耳元で『大丈夫』と繰り返すばかりだ。
「――ッアァッ!!」
希望を抱き抱えていたライの両手が、希望の身体の前に回って、胸の突起を抓る。
そこは、今まで放っておかれて、ただぷっくりと膨らんで刺激を待ち望んでいたから、電気でも走ったように身体が震えた。
ぎゅうっと強く、絞られるように抓られているのに、それがびりびりと全身をさらに快感で満たす。
「やっ、ぁっ! んっ…ひぁっ、アッ!」
奥を執拗に抉られて、腰を打ち付けられて、追い詰められていく。
「やっ、あっあっ! ……ッァア! らっ、ライさ、んっ、ライさんっ!」
鏡越しのライを見つめると、ライがわずかに俯いたので長い前髪がぱらりと落ち、彼の目元を隠していた。
口元だけは相変わらず笑みを作っているのが見える。
希望の脳に染みこませるように、ゆっくりと唇が動く。
甘く、優しく、低い声が囁いた。
「だいじょうぶ」
〝壊れてしまえ〟
と言われた気がした。
「ッ――?! ぁあっ! やあっ……、あっ!」
抱き抱えられて、そのまま揺さぶられながら、ライが首筋を吸い上げる。
はぁっ、とライが荒く息をついたのを感じた。
「あっ……ああっ……!」
耳元のライの荒い息遣いに、乱れているのは自分だけではないと気付かされる。
希望は、身体に与えられる刺激とはまた別の、心の奥から沸き上がる快感に震えた。
ライが自分に欲情しているということに、どうしようもなく胸が高鳴る。
それが何よりもうれしくて、どきどきして、もう、何もかも受け入れてしまう。
このまま壊されてしまってもいいかも、なんて。
「あっ、あぁっ! らいさんっ! ライ、さっ、ぁあッ……! ライさんっ……!」
縋るようにライを呼ぶ希望に、わずかに顔を上げたライが鏡越しに見つめて、笑う。
ライはじっと希望を見つめたまま、希望の首筋に噛みついた。
僅かな痛みと共に、ぞくぞくっと全身をひときわ強い快感が走った。
「――ッアア! ンンッ、ぅんっ! ライさんっ、も、いっ、ちゃ……!! やっ、あんっ、ァアッ……! ……ああッ――――ッ!!」
希望が身体をびくんっと大きく震わせた。
そのまま力が抜けて崩れ落ちそうになるのをライが強く抱き締めて支える。
希望のまだ小さく痙攣する身体を押さえ込んで、ライも希望の中に熱を注ぎ込んだ。
「あっ……! アアッ、んっ……あぁっ……!」
ドクドクと脈打ち、中に注がれる熱を感じて、希望はまた小さく身体を震わせた。
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