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―臨魔暦500年―
「ぐわぁぁぁぁぁっ!」「嫌ぁぁぁぁぁ!」
『ハーッハハハ!実に愉快だぜ…こうして人間共の悲鳴をたっぷり聞けるとは、いい時代になったもんだぜぇ!』
この時代は年号からも分かる通り、地底世界に封印されていた悪魔たちがその鬱憤を晴らすために地上界の人間や動物たちを襲っていた。
全てを炎で包む魔王ホークはその先陣を切った存在だった。彼の放った炎は瞬く間に森を灰塵残しの更地へと変えた。
だが、人間たちの中にはそんな彼らに立ち向かう勢力が存在していたのも…また事実だ。
「我々全王国連合軍で、悪魔を討つのだ!我らの輝ける未来のために!」
「全体…進軍!」「「おおーっ!」」
全王国連合軍…彼らの兵力は私から見れば非常に小さい。鉱山で掘り出される一般用の鉄鋼で作られた甲冑と様々な武器…悪魔の軍勢からして、所詮“獅子にじゃれつく鼠”のようなものだ。
だが、私は冥府から見ていたが…彼らには素直に感服した。自分たちで出来る限界まで挑戦するその精神に。…小汚ない手を使うことに何の抵抗も無い悪魔どもにその爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。
『なぁ、ホーク…なんでコイツら諦め悪いんだ?』
『さぁな。未来がどうこう言ってるが、俺たちにはそんなことどうでもいい。俺たちを地の底に追いやったことを後悔させてやればいいだけだ!』
魔王軍は…火のホーク、水のドルフィア、土のレーファン、風のエルフリー…つまり、四大魔王が全員揃っていた。
それに加えて下級悪魔の兵士が三万程…これに勝ち目など有るわけがない。
―海の方では―
「今は俺たち海賊も王国に手ぇ貸そうぜぇ!」
「ったりめぇよ!俺たちの海は俺たちと俺たちの国のもんだぁ!魔王なんかに奪わせんな!」
海賊たちは己の全ての戦力を導入して、水の魔王ドルフィア率いる海の軍勢と戦っていた。
しかし、相手は人魚が八割を占めていたり、魔法重視な編成だったこともあってほぼ一方的に押されている様子だった。
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