ファンタジア・ロード プロローグ

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―地上界― 戦火は収まるどころか広まった。天使軍の介入によって悪魔たちの怒りが頂点に到達してしまったからだ。 それまでは重症で生還できた者も今はほぼ一撃で戦死するほどだ。 『ぐぅっ……なぜ分からん、お前たちが住むべきは地底だと!』 『あんな薄暗い世界で生涯を終えろって言いてぇのか、あぁん?』 ドガガーン! 「うわぁぁぁぁ!」「きゃぁぁぁ!」 ホークとミカエールの死闘は未だ一進一退のままだった。その場にいた人間たちはさぞ苦しかっただろう…何せここはもう、自分たちの土地ではなく、文字通りの地獄だったから。 しかし、そんな彼らに更なる試練が迫っていた。 「お、おい……あれ見ろよ!空が歪み始めてるぞ!」 ある一人の兵士が指差したのは、東の方の空が渦のようにグニャリと曲がって亀裂のようなものが入ってきている様子だった。 やがて、その亀裂から瘴気が溢れだし、空を覆っていた黒煙は消え去り、青空が戻った。しかしすぐに黄昏時のような空模様へと変わった。 『……まさか、もう来たと言うのか!?』 ピシッ、パキッ……バキィィン……! 「な、何だあれ……もうこれ以上何も増えないでくれ!」 「ママ、私たち助かるの?死んじゃうの?」 空に出現した裂け目から“太古の監視者”……〈黒の覇王〉ラグナテス・ファフナーがその姿を現した。そして彼は着地と同時に地を穿ち、辺りを吹き飛ばしかねないほどの衝撃波を飛ばした。 『んぁ?何だお前は!勝手に現れやがっ…ぐぉああ!』 ラグナテスに殴り掛かろうとしたホークは彼の左手から発せられたであろう波動に容易く止められ、そのまま地に叩き付けられた。 『無礼者……私を何と弁える。』 ラグナテスは白骨で構成された体から凄まじいオーラを放ち、そして悠久の時を生きた者として相応しい威厳ある声でホークを脅した。 『まさか…貴方は……かの“冥府の皇”!?』 『その通りだ、天の長よ。私は……遥かなる時を生きた死霊たちの長にして冥府を統括する存在…〈黒の覇王〉ラグナテス・ファフナー…』
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