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『…………それがお前たちの選ぶ未来への選択肢か。良いだろう、蹂躙ではなく、処罰としよう。天使は自由崇拝を認めろ…悪魔どもは今一度地底で己の犯した過ちを見つめ直せ。そして、人間よ……お前たちを見るのは初めてだ。故に軽罰として今より百年の間はあらゆる武具は封印するのだ。』
ラグナテスはそう言うと、悪魔の軍勢をすっぽり覆ってしまうくらいの大きな黒い独特な魔法陣を発動し、彼らを地底世界へと飛ばした。
『そうだ……ミカエール、頼みがある。』
『な、何で御座いましょう、ラグナテス殿!』
『天界にあるという“究極魔法剣ヴァルティマ”が何処にあるか知っているか?まぁ、知らずとも天界まで案内してくれ。』
……今朝見た夢に出てきたあの少女がもし本当に空の上で待っているというのなら、今すぐ向かいたい。
―天界・剣眠る祭壇―
祭壇には白く光輝くクリスタルと赤、青、黄、緑の楔が安置されていた。
『ここまでで良い…後は私が何とかしよう。』
……ここまで来たのだ、しくじって水泡に帰してたまるか。
『その剣を持つに相応しいのはこのボクだ!』
ドスッ……
『なっ……お前、何者だ!』
『ボクは聖騎士クラウス、天界に忠誠を誓う者さ!キミみたいな骨野郎は墓で眠ってる方がよっぽどお似合いだと思うけど!』
『口の聞き方に気を付けろ。……まさか、お前もこの剣を取りに来たのか!?』
『当たり前じゃないか!だって…〈白の姫君〉から聞いたんだよ…この剣があればそれだけでボクはあの天使どもを超えられるって!』
『野心ある者に味方する剣があると思っているのか!?』
ラグナテスは怒りを抑えつつ、目の前に現れた聖騎士を威嚇した。
『あるよ…ここにあるよ!今まさに君を突き刺した剣がねぇ!』
……魔力で体を維持してるといっても過言では無いこの体であのクリスタルに触れれば、恐らく力負けするだろう。だが…
『剣は……私の物だぁぁ!』
ラグナテスはクリスタルに手をかざした。バチバチと閃光と音が鳴った。
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