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「ではここで、少し私からお話があります。」 入学式が終わり、教室に帰ってきて早々、先生が俺達を前に手招いた。 「実は、丘山悠太くんは声が出ず、岡本理玖くんは耳が聞こえません。 だから、丘山くんはノートに字を書いて喋るので、急かさないであげてください。 岡本くんには、ノートに書いて話しかけてあげてください。 さ、二人とも挨拶して」 そう言って先生は俺にチョークを差し出した。 俺は黒板にこう書いた。 “丘山悠太 喋れないです よろしくお願いします” その瞬間、教室が騒ついていた。 また、特別扱い。
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