#12

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#12

すると、目の前に少し大きな影が見えた。 「ほらほら、困っとるやろ?一人づつゆっくり喋ったれや」 そんな優しい関西弁訛りの声が聞こえると、辺りが静かになり、女子供がキャーキャー騒ぐ。 その中心には、その声の主とされる男の人が立っていた。 『理玖、一旦ここから離れよう』 「う、うん」 そして俺らはその場からそそくさと去っていった。 「っあれ、どこ行くんー?」 というあの男の人の声を背に。
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