本編

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猛暑の続く8月、深夜0時を回った頃、中澤勇也((29)会社員、頭皮やや薄め)は小走りにある場所を目指していた。田園風景の残るこの地域にはこの時期、時間、決まって蛙の合唱が聞こえる。そんな合唱などに気を向ける余裕もないほど、中澤勇也には急ぐ理由があった。『クソがしてぇ!』飲み会に出た料理に当たったのか、お腹がエマージェンシーなのだ。『この先に公園、公衆トイレがある!』ちょっと脱糞しながらも、彼処のトイレまでもう少し、何とかスーツまで汚損するのは阻止したい、その一念が中澤勇也を支えていた。 公園にたどり着くと、目指す公衆トイレがあった。この時間、利用するものなどいる筈はない。当然、だれもがそう思うだろう。急ぎ男子トイレに入ると、まさかの事態が中澤勇也を襲った。 故障中(^3^)/ ふざけた貼り紙がしてある。個室は1つしかないのに故障中(^3^)/って・・中澤はこのままでは爆発してしまう。貼り紙をよく見ると、子どもが書いたような字だ。いたずらと決め込み、取ってに手をかけるとドアが開いた。『やっぱりいたずらかよ!』怒りを覚えたが、今は◎んこだ。蓋が閉まっている洋式便器。 何か臭うが気にしている場合ではない。勢いよく蓋を開けると、中澤勇也は恐怖のあまり脱糞し、絶叫した。 そこには、出られなくなって死に、腐敗進行中である大量のトノサマガエルがあったからだ。
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