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「日織さん……」
唇を離された折に切なくささやかれた修太郎さんの声音に、私は閉じていたまぶたをゆっくりと開く。
私の口元を濡らす唾液を片手で優しく拭ってくださると、腰を抱く修太郎さんの手がゆるゆると下方へ伸ばされる。
腰からお尻のラインをゆっくり、その手触りを味わうように下りてくる修太郎さんの大きな手の感触に、私の身体はビクッと震える。
それは悪寒などでは決してなく、いわゆる甘美な快感に近くて。
思わず「はぁ……」と熱い吐息が口をついてしまった。
そのことに驚いて慌てて両手で口をふさぐと、修太郎さんにその手を絡めとられてしまう。
そのまま両手を一纏めにするように片手で縛められた私は、会議室の机に突っ伏すような形で動きを封じられる。
「しゅう、たろぉさん……?」
臀部を後ろに突き出すような格好になってしまって、私は戸惑いながら彼を振り返った。
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