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その日の夕方、私は仕事から帰宅するなり即行でお風呂へ入った。
いつもならテレビを見たり読書をしたりして少しくつろいでから入浴するのを、今日だけはお母様に「仕事で汗をかいてしまったので」と嘘をついて先にお湯を頂く算段をした。
(……お母様、嘘をついてしまってごめんなさい)
心の中で謝りながら、それでもさすがに本当のことは絶対に言えない、とも思って。
脱衣所で服を脱ぎながら、ふと会議室でのことを思い出した私は、恥ずかしさに動きを止める。
あの後、修太郎さんに許して頂いてショーツは身につけることが出来たものの……クロッチのところが冷たく濡れていて、トイレで拭ってもやはり心地悪くて。
結局、生理でもないのに生理用品のお世話になってしまった。
それがなんだかとても恥ずかしくてたまらなくて……。
修太郎さんに思いっきり恨み節を言いたかったけれど、いざ修太郎さんのお顔を見ると恥ずかしいのとドキドキするのとの相乗効果で、何ひとつ言いたいことが言えずに一日を終えてしまった。
(すっごくすっごく悔しいのですっ)
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