2869人が本棚に入れています
本棚に追加
「日織ももう成人してるんだし、そんなに私たちに気を遣わなくても、したいようにしていいんだよ?」
お父様は私が気を遣っているとおっしゃった。
その言葉は、どこか携帯のことに関してのみに向けられているのではない気がして、私は思わずお父様のお顔をじっと見つめ返してしまう。
「今回みたいに何か言いたいことやしたいことが出来たら、遠慮なく言うんだよ? わかったね?」
お父様はそう言って私の瞳をじっと見つめ返していらっしゃると、付け加えるように
「携帯、番号が決まったら、私と母さんにもちゃんと教えてくれるかい?」
そう、おっしゃった。
私は「もちろんなのです」と即答する。
でも、ごめんなさい、お父様。一番最初に番号をお教えしたいのは修太郎さんなのですっ、と心の中で謝罪して。
(――そのあとはお父様とお母様への報告もきちんといたします)
そう付け加えた。
最初のコメントを投稿しよう!