12.連絡先と連絡手段

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***    全ての手続きを終えてdocono(ドコノ)ショップを後にすると、外はすっかり薄闇に包まれていた。  私は少し迷ってから、通りに面していて割と明るい街区公園に寄り道をした。  街灯そばのベンチに腰掛けると、ドキドキしながらアドレス帳を開いて、修太郎さんのお電話番号を呼び出す。  たどたどしい手つきで通話ボタンを押すと……ちゃんとコール音がして。 『もしもし……?』 (わわわ、どうしましょう! 通じてしまったのです!)  耳元へ直接聞こえてくるような修太郎さんのお声に、そういえばお電話でお話しするのは初めてだったとドギマギする。 「あ、あの……修太郎さん。ひ、日織(ひおり)です」  電話で相手に自分の名前を名乗るだけのことが、こんなに照れ臭いなんて思わなかった。  あまりに緊張しすぎて、スマートフォンを握る手が冷たくなってしまう。 『無事に契約できたみたいですね』  私がパニックになりかけているのを察したのか、修太郎さんが電話口でふっと小さく吐息を漏らされた。 「あ、修太郎さん、今、笑いましたね?」  彼に突っ込んでそう言うと、少しだけ気持ちが落ち着いてくる。
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