13.車のなか*

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「前の車はこれより一回り小さかったんですけど、それだと結構しんどくて」  とおっしゃる彼に、 「修太郎さん、弟さんや妹さんがいらっしゃるんですか?」  と思わずお聞きしてしまった。  修太郎さんは、そういえばお話していませんでしたね、と前置きをなさってから「僕には年の離れた弟と、その弟と数歳違いの妹が二人いまして……。いわゆる四人兄弟妹(きょうだい)の長男というやつです」とお話くださった。  修太郎さんに、三人も血の繋がったご弟妹(きょうだい)がおられるということに、一人っ子の私はとても驚いてしまった。  それと同時に、「賑やかそうでとてもうらやましいです」と率直な感想を言うと、「まぁ、でも……今は一緒に住んでいないので」と少し声のトーンを落とされる。 「……やはり一人暮らしはお寂しいですか?」  言いながら、私は思わず吸い寄せられるようにセンターコンソールに載せられた修太郎さんの左手に触れてしまった。  途端、驚かれたように、ほんの一瞬修太郎さんが私に視線を流してから瞳を見開かれて――。
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