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横に立っておられる修太郎さんのお顔を見つめたけれど、どうやら彼も初耳だったみたい。
「おい、健二そんな話……」
「ええ、兄さんにもしてませんでしたね。まぁ、会ってからのお楽しみってことで」
悪びれた様子もなく健二さんがそうおっしゃるから、修太郎さんが溜め息をおつきになる。
「ホント、お前はいつも……」
それっきり、修太郎さんは諦めたようにその件については言及なさらなかった。
代わりに、私の手をぎゅっと握っていらしたのが、下の子に手を焼くお兄さんの苦悩を物語っているようで、私は修太郎さんを困らせる健二さんのことが、何だか少しうらやましく思えてしまった。
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