19.触れてみても構いませんか?*

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日織(ひおり)さん、男の身体がどうなっているか、貴女はきっと、詳しくはご存知ないはずです……。ご覧になられる覚悟がおありですか? このまま僕に触れ続けるということは……そういうことなんですが」  吐き出すようにおっしゃってから、私を試されるようにゆっくりとベルトの留め具をお外しになられた。 「()めるなら、今のうちですよ?」  そこで私の瞳をじっと見下ろしていらしてから、優しく口づけを下さる。  こんなに色っぽい修太郎さんのお顔を拝見するのは初めてで、心臓が今までにないくらい頑張って身体中に血液を送り出しているのがわかる。ドキドキいう鼓動が、耳鳴りのように頭の中で響いている気がする。 「今さら()めるなんて……嫌、なのです」  潤んだ目で修太郎さんを見上げながらふるふると首を横に振ると、修太郎さんが私の頬にそっと触れていらした。 「後悔しても、知りませんよ……?」  今聴こえてきた微かな金属音はファスナーの音?  修太郎さんがご自身のスーツのズボンを(くつろ)げていらしたのが視界の端に見えて。  そこから取り出されたモノに、私は息を呑んだ。
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