19.触れてみても構いませんか?*

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 自分が脱がされた時と同じぐらい――ともするとそれ以上に?――恥ずかしく感じてしまった。  考えてみたら、私は修太郎(しゅうたろう)さんがそこをお開けになられたところを拝見したことがないし、もっと言えば他のどなたのだって見せて頂いたことはないわけで。 (お父様とお風呂に入っていたのだって、もうずいぶんと小さい頃の話なのです。でもでも、お父様のはあんな風にはなっていなかった気がいたします……っ)  男の人が性的興奮を覚えると〝お()ちになられる〟というのは知識として知ってはいたけれど、頭でっかちに知っているのと、実際に()の当たりにするのとは違うのだと思い知らされた。 「日織(ひおり)さん、怖がらせてすみません」  私の反応に修太郎さんが申し訳なさそうに頭を撫でていらして。 「でも……もしも叶うならば――」  私は修太郎さんが「触って欲しい」とおっしゃるよりも先に、そこへおずおずと手を伸ばしていた。 「――ひ、日織、さんっ?」  手に、すべすべとした温かい肌触りが伝わってきて、私はその手触りを意外に思った。  その猛々しい見た目から、もっとゴツゴツとした無骨な感触を想像していたから。 「しゅ、修太郎さん。あの。わ、私、どうすれば……貴方を気持ちよくできます……か?」  自分でも物凄く恥ずかしいことを申し上げているという自覚はあって。でも、それよりも修太郎さんに感じて頂きたいと思ってしまった。  聞きながら、手の中のモノを指で包み込んだら、修太郎さんが「……んっ」と小さく声をもらされた。 「あ、ご、ごめんなさいっ」  触れたことのない、恐らく男性の身体で一番敏感な部分。どんな風に触って差し上げるのが良いのか力加減さえ分からない。「痛かったですか?」とお聞きしたら、修太郎さんは首を横にお振りになられてから、「僕の方こそ……変な声を出して……ごめんなさい」と潤んだ目で私を見ていらした。 (どうしようっ。感じていらっしゃる修太郎さん、物凄く可愛いのですっ)  なんて、思ってしまったことは、口には出さない方がいい、ですよ、ね?
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