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「神崎さん」
今までずっと黙っておられたお父様が不意に口を開かれて、私はドキッとしてしまう。
恐る恐るお母様越しに、わずか見え隠れするお父様を見やると、思いのほか穏やかなお顔をしていらして、少しホッとする。
「私は昨夜娘から修太郎くんへの想いを聞きました。修太郎くんの娘への想いもしっかりと確認させてもらっているつもりです。その上で、私たち夫婦は修太郎くんと娘を応援しようという結論に達しました」
お父様の言葉に、天馬氏が思わず腰を浮かせる。
お父様はそれを穏やかな笑顔と所作で制すると、「修太郎くんの娘への気持ちは我々が何か言ってどうこうできるレベルじゃありませんよ。彼はなかなかに芯の通った青年のようです。一度こうと決めたら曲げないところなんて、正直神崎さん、あなたそっくりじゃないですか。それに――」
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