26.一線を越える覚悟

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 例えば……。  ショートケーキの苺を修太郎(しゅうたろう)さんがお好きだとしたら……私の分も、「あーん」して差し上げるのですっ。  きゃー、でもこれ、きっと指をチュッてされちゃうシチュエーションですねっ。  あとは……。  修太郎さんの寝顔を見ながら背中をトントンして差し上げたり。  唇に触れても起きたりなさらないでしょうか?  眠っていらっしゃる隙にキスとか……考えただけでドキドキしますっ。  それから……。  これは割りと王道ですけど……修太郎さんの口元についたご飯粒を取って差し上げたり。  もちろんつまんだのは私が食べちゃうのですっ。  少女漫画とかでよくある憧れのシチュエーションですっ。大抵男性が女性に、ですが逆だってきっと素敵ですっ!  ……気がつけば、そんなあれやらこれやらの妄想がぶわりと膨らんでしまって――。 「うふふ。どの修太郎さんも、とっても可愛らしいのですっ」  まだ修太郎さんがそばにいらっしゃるのも忘れて、私は思わずうっとりとつぶやいてしまいました。
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