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修太郎さんは、彼の頬に触れる私の手をギュッと握っていらっしゃると、そのまま指先にチュッとリップ音を立ててキスなさいました。
「――分かりました」
静かな声音で一言そうおっしゃると、握った手をベッドに縫い止めながら、私の上へまたがるように四つん這いになられてから、ゆっくり顔を近づけていらして……。
「日織……」
切なく掠れた甘い声で私の名前を呼んでいらした修太郎さんに、唇を塞がれました。
軽くついばむようなキスが、少しずつ角度を深く変えていって……。
「は、ぁ……っ」
探るように修太郎さんの舌が口中に伸ばされた時、私は小さく口を開けて彼を受け入れました。
おずおずと修太郎さんの舌の動きに合わせるように自分のそれを伸ばすと、すぐに修太郎さんに捉えられて。
二人の舌が擦り合わされるヌルリとした感触に、身体の芯が疼くような熱を感じてしまいます。
「しゅ、うたろぉ、さ……」
私はキスの合間に、ぼんやりと彼の名前を呼びました。
と、それに応えるように修太郎さんの手が胸元に伸びてきて、胸を覆い隠すように載せたままだった私の左手をそっとそこから引き剥がしました。
「布越しに触られるのと、じかに触れられるのと、どっちがいいですか?」
意地悪く耳元でそんなことを仰りながら、ふくらみ全体をTシャツごと掌で押し上げるように揉んでいらして。
別に頂に触れられたわけではないのに、胸の揺れに合わせて布地と擦れるそこから、痛いくらいの刺激が突き抜けます。
「やっ、あっん。修太、郎さっ、……」
眉根を寄せてイヤイヤしながら、どちらも選べないと訴えてみても、修太郎さんは聞き届けてはくださいません。
「ね、日織、どっち?」
再度問いかけられた私は、ギュッと目をつぶって、「直接……がい、です……っ」と目尻に涙を滲ませておねだりしてしまいました。
もう、これ以上、布に敏感なところを擦られるのは耐えられない、という一心での言葉でした。
でも――。
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