27.あなたに、キスのその先を*

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「あ、あのっ、少し……待っ……――」  てください。  そう続けようとしたら、 「ねぇ、日織(ひおり)。先程、じかに触れて欲しいとおっしゃったのはどなたでしたっけ?」  まるで先は言わせないと言う風に、修太郎(しゅうたろう)さんが声を被せていらっしゃいました。 「……で、でも、あの……」  それでもやっぱり待っていただきたくて、懸命に言い募ろうとした私に、「――頑張ってくださるんでしょう?」と、とどめを刺されてしまいました。 「…………は、い」  どうしても修太郎さんに敵わないと思った私は、力なくうなずきました。  修太郎さんはそんな私ににっこり微笑まれると、 「じゃあ僕に協力していただけますね? 身体、少し浮かせられますか?」  あくまでも私の意思で服を脱ぐのだと知らしめたいみたいに、そう、おっしゃいました。  修太郎さんの求めに応じて身体の角度を小さく変えながら、恥ずかしさで目端に涙が滲んでくるのを感じます。  修太郎さんは……時々とても意地悪で怖いのです……! ***  修太郎さんは、「汚れる前に下も脱いでおきましょうね?」と当たり前のようにおっしゃって、部屋着の短パンも私から剥ぎ取ってしまわれました。  それで、結局私は今、ベッドの上でショーツ一枚だけです――。
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