27.あなたに、キスのその先を*

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 余りの恥ずかしさに、私は両腕で胸と顔を必死で覆い隠しています。  それでも肌に触れるひんやりした空気が、自分が今、とても心許(こころもと)ない姿になっているのだと、イヤと言うほど突きつけてきて。  最早(もはや)修太郎(しゅうたろう)さんの方を見ることもままならず、両手の下に(かたく)なに隠れるので精一杯です。  そんな私の耳に、バサリ、と雄々しい衣擦れの音が聞こえました。  その音に恐る恐る指の間からそちらを見やると、修太郎さんが、着ていらした黒の上下を脱がれた気配だったようです。  私と同じように下着一枚だけになられた修太郎さんと、目が合ってしまいました。  修太郎さんの、引き締まった均整の取れた体躯を間近で見るのは、初めてな気がします。  着痩せするタイプでいらっしゃるのか、修太郎さんが、こんなに筋肉質だとは思いませんでした。  確かにその腕に抱かれた時、胸板の厚さや両腕のゴツゴツとした硬さは感じていましたが、その、うっとりするような男らしくて(たくま)しい身体に、私は計らずも釘付けになってしまいました。 「貴女だけに恥ずかしい思いをさせるわけにはいきませんからね」  裸の修太郎さんに、優しく頭を撫でられて、心臓がバクバクです……。 「日織(ひおり)、お願い。手をのけて?」  修太郎さんが私の髪の毛を手指で優しく()きながら、そっと身体を覆い被せていらっしゃいました。  そのままふぅっと耳に息を吹きかけられて、思わず「ひゃ、んっ」と変な声を出した私は、それと同時に身体をビクッと震わせました。  身体が跳ねた拍子に緩んだ両手を、修太郎さんに(とら)えられたと思ったら、次の瞬間にはひとまとめにされて、頭上でマットに縫い止められていました。 「やっ、……お願っ、見な、いで……下さっ――」  修太郎さんに手首を押さえつけられた途端、(いまし)めから解放されたふたつの乳房が、フルリと揺れてまろび出たのが分かって、私は泣きたくなりました。  今もなお、その(いただき)の敏感な部分が、更なる刺激を求めてピンと立ち上がっているのが分かります。  そんなはしたない姿を、修太郎さんには……いえ、、見られたくないのです。  なのに――。
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