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修太郎さんは、彼に触って欲しくて固く張り詰めた私の胸を、食い入るようにじっと見つめていらっしゃるのです。
その視線が恥ずかしくて。居た堪れなくて。
私はせめてもの抵抗に顔を背けて彼の視線から必死で逃れました。
羞恥心に視界が滲んで、気がつくと涙がポロポロ溢れ出てきて、それを見られるのも何だか悔しくて……。
「とても、綺麗です……」
でも、そんな言葉と共にそっと胸のふくらみに優しく触れられた私は、修太郎さんの優しい声音に思わずピクッと反応してしまいました。
「日織さん、貴女の敏感なところに触れても構いませんか?」
私が大人しく修太郎さんの言うことを聞いているからでしょうか?
つい今し方までとは別人のようなお声で、修太郎さんが私にそうお伺いを立てていらして。
そのことに驚いた私は、泣き濡れた顔のまま恐る恐る彼の方へ視線を戻しました。
途端、修太郎さんがオロオロとした様子で私を戒めていた手を解いてくださると、足元にあった肌布団を慌てた様子で引っ張り上げて被せてくださいました。
「……ごめんなさい。泣かせてしまいましたね。怖かったですか? 本当、すみません。どうやら僕が参考にした資料は、日織さん向きではなかったみたいです……」
一緒にお布団に包まれた状態で、修太郎さんが私を正面から片腕でギュッと抱きしめてくださいます。
くるりと体が回転して、修太郎さんとピッタリ密着してしまっています。
む、胸は隠せましたが、彼の厚い胸板に押し付ける形になってしまって、それはそれで恥ずかしいのです……。
おまけにお布団の中、私の太腿に触れる修太郎さんの下腹部が、硬く張り詰めておられるのも分かって。
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