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「修、太郎……さん?」
彼の胸元に顔を埋めた状態で、私は恐る恐る修太郎さんのお名前を呼びました。
彼のお布団に包まれたせいで、息を吸い込むたびに修太郎さんの香りが胸いっぱいに広がるようで、――おまけに下腹部の彼の熱が気になってしまっているのも手伝って、私の胸はドキドキしっぱなしです。
「日織さん、僕は貴女に……ひとつ告白しなければいけないことがあります」
ややして、修太郎さんが私を抱きしめる手に力を込めていらっしゃると、静かにそうおっしゃって。
「――?」
私の心臓は、修太郎さんが何を話そうとなさっているのか分からなくて、不安にギュッと縮こまります。
彼の声のトーンからして、いいお話ではない気がしました。
「あ、あの……それは……どうしても……今、私に話さないと……いけない内容、ですか?」
修太郎さんの下、こんなにお辛そうなのに――。
寸でのところでその言葉こそ飲み込みましたが、私が思い切ってそうお尋ねすると、修太郎さんが一瞬息を飲まれたのがわかりました。
彼のその反応に、私は一度深呼吸をしてから、修太郎さんを真似てみることにしました。
「どうなんですか? あ、あの……しゅ、修……太郎……?」
きゃーっ。私、今、修太郎さんを呼び捨てにしてしまいましたっ!
自分で呼びかけさせていただいておきながら、言うと同時に恥ずかしくて彼の胸元に顔を埋めて身悶えてしまうとか……私、まだまだなのです。
これではたぶん効果半減。
作戦失敗ですっ!
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