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「そういえば……今週の金曜日なんですけどね――」
席に戻ると同時に、塚田さんが私に話しかけてくる。
デスク上に置いた卓上カレンダーを確認すると、金曜は三日後だった。
「はい」
何だろう?と思って塚田さんを見ると、「うちの係で貴女の歓迎会をやろうという話になっているんですが……、藤原さん、ご都合はいかがですか?」と聞かれた。
その言葉に、私はもう一度カレンダーを手に取って視線を落とす。
(一応、何の予定も入っていないはずなのですけれど)
「あの……多分大丈夫だとは思うんですが、……その、お返事は両親に確認してみてからでもいいですか?」
この年になって両親に、というのは恥ずかしいなと思いながらも、許婚のことが頭をよぎって、私は思わずそう言っていた。
(高橋さん、せっかく自分の気持ちに素直になれってアドバイスをくださったのに、すみません!)
「もちろん、それで構いませんよ」
知らず、身体に力が入っていたのか、カレンダーをギュッと握り締めてしまっていて、大好きな塚田さんに「そんなに気を張らないで?」と気を遣わせてしまった。
(私、本当に駄目な子なのですっ)
私は、高橋さんが聞いたら「まーた卑屈になってる!」と、叱られそうなことを思っていた。
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