31.あなたに、キスのその先を〜第二夜〜*

25/32
前へ
/481ページ
次へ
 あのウェブサイトには、初めての女の子の場合、男性をスムーズに受け入れるために慣らしに二時間かける、とか……書いてありましたが、私、正直そんなに……その、……そこばかり……とか、無理なのですっ。  修太郎(しゅうたろう)さんは真面目な方ですので、恐らく私がお風呂に入っている間、スマートフォンを持っていらしたのはそういうノウハウや手順を再度頭に叩き込んでいらしたんだと思います。  さっき私の中に指を挿《さ》し入れていらした時に確信しました。  あんな触れ方、昨夜はなさいませんでした。……あれはきっと、新しく学ばれたことのはずです。  だとしたら――。  新たに取り入れた知識のセオリー通りに物凄く丁寧に時間をかけて私を(ほぐ)してくださるつもりに違いないのです。修太郎さんは……そういう男性(ひと)なのです。  でも……私、修太郎さんと約束しました。  片方だけが頑張るのはやめようって。  私ばかり()くして頂くのって……修太郎さんにばかり負担をおかけすることだと思うから。  良くないと思うのです。  私だって修太郎さんにも……その、気持ちよくなっていただきたいのです。  だから……。  それこそ、十代の男性が無我夢中で彼女を求めるような抱き方をしてくださったので、私は一向に構わないと思っていたりします。  私にばかり負担をかけるのは、と修太郎さんはおっしゃるかも知れませんが、長い間……その、そこを修太郎さんに責め続けられることのほうが……私としては……恥ずかしすぎて、し……しんどい気もいたします……。  でしたら……いっそのこと、と思うのです。
/481ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2870人が本棚に入れています
本棚に追加