◆私、まだまだなのですっ/スタ特より転載

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 梅雨に入った。  今年は昨年のような空梅雨ではないらしく、連日のようにシトシトとひっきりなしに雨が続いている。  部屋干しした洗濯物がなかなか乾かなくて、修太郎(しゅうたろう)日織(ひおり)が泊まりにくる週末くらいは、とコインランドリーを利用した。  その甲斐あって、今日はリビングがいつになくスッキリして見える。  日織が泊まりに来てくれているから、室内が華やいで見えるのもまたいいな、と修太郎は思っていたりするのだけれど。 「日織さん、どうしたんですか? 浮かない顔をなさって」  どうも自宅へ迎えに行った時から日織の表情が(かんば)しくない。  体調は悪くなさそうなのに一体どうしたのだろうか。  そのことが心配になった修太郎が問いかければ、日織が眉根を寄せて修太郎を見やった。 「雨が降ると、修太郎さんと仲良しするのが躊躇(ためら)われるのですっ」  それが寂しいのだ、と言いたいらしい。
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