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まるで予期しなかった斜め上からの返答に、修太郎は瞳を見開いた。
「え?」
やや遅れて自分でも間の抜けた返しだと思うような声が出て。
「こんなに雨続きだと、お洗濯物が乾かないでしょう?」
だから仲良しするのが憚られるのだと切なく吐息を落とす日織に、修太郎はそう言えば、と思った。
日織は自分と褥を共にした翌日は、どんなに激しく責め立てた後でも必ずノロノロと起き出して、シーツを取り替えていた。
最初のうちこそ操作に戸惑っていた修太郎の家の全自動洗濯機も、今では難なく使いこなしているほどだ。
修太郎が使っているドラム式の全自動洗濯機には、もちろん乾燥機能だってついている。
けれど、掛け敷き両方のシーツに加えて枕カバーやタオルなども洗濯した後ともなると、乾燥機の容量を若干オーバーしてしまう。
だから日織は、いつもベランダに出てシーツを太陽の光と風の力で乾かすのだ。
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