6.歓迎会

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 と、ちょうどそのタイミングで、程よく酔いが回ってきた林さんが、「俺、生のお代わり頼みますけど皆さんどうしますか?」とおっしゃった。 「じゃあ、僕も同じものを」 「俺も」  私以外のニ名が口々にそれに答える。  私はそんな皆さんを横目に、ウーロン茶のグラスを持ったまま動きを停止したままだった。  そんな私の様子に目を留めた林さんが、 「あれ? 藤原(ふじわら)さん、それまだ一杯目のウーロン茶じゃないっすか? っていうか、空っぽだし。――そうだ! せっかくですし、次はお酒いきませんか?」  言って、私の手からグラスを取り上げてしまう。 「す、すみません。私、お酒は飲んだことがないのです……。なので」  未だぼんやりとした頭のまま、それでも何とかそれだけは伝える。  職場の皆様との宴席で、初めての飲酒を経験して、もしも乱れてしまったら大変だ。  塚田さんにだけはそんな醜態(しゅうたい)、さらしたくない。  そう思ってやんわり辞退すると、林さんの隣に陣取っていた森重さんが、「何かあっても係長が責任を持って介抱てくれますって。だから飲みましょうよー」と林さんの援護についてしまう。
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