6.歓迎会

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 日頃、外回りばかりで余り接点がないからか、お二人共私を見るとこんな風にタッグを組んで色々絡んでいらっしゃることが多い。  実はそれが少し苦手だったりするんだけれど、私はいつも上手くかわすことが出来ない。  過日電話で健二さんに言われた、「嫌ならちゃんとお断りしてください」の言葉をふと思い出してしまって、自分が情けなくなった。  でも、せっかくの楽しい雰囲気を壊してはいけないと思ったら、上手な言葉が見つけられなくて。私は結局何も言えずに口ごもる。 「二人とも、これ以上彼女を困らせたら承知しませんよ?」  と、それまでそんな私たちのやり取りを、横で静観(せいかん)していらした塚田さんが、見かねたように助け舟を出してくださった。
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