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そのまま塚田さんに支えられてフラフラと歩きながら、これが夢なのか現実なのか、私は未だに判別がつけられなかった。ただ、彼を恋い焦がれる心だけがほわほわと胸の内を揺蕩って。
私は自分の置かれた状況がよく分からないことが急に不安になって、その拠り所を求めるみたいに塚田さんの腕にぎゅっとしがみつく。
色んな想いが 交錯してグチャグチャになりそうな意識のなか、彼の温もりと体臭だけが確かなものに思えた。
私は破裂しそうな心臓に押されるように、半ば無意識にうっとりとつぶやく。
「私、塚田しゃんのことが……どうしようもなく大好きれす……」
途端、私を支える彼の腕に、ほんの少し力がこもった。
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