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「日織さん?」
私の一大事に気付いた塚田さんが、一瞬驚いた顔をしてから、キスをやめて下さった。
唇が離れると同時に肩で喘ぐように息を吸い込む私を抱き起こしてくださると、手にしておられた眼鏡をソファ前のローテーブルに置く。
瞬間、眼鏡とガラス天板が触れ合うカチャン、という硬質な音がした。
ソファに身体を起こして乱れた呼吸を懸命に整える私を、塚田さんがすぐ横に腰掛けて、じっと見つめていらして。
私は頑張って空気を吸い込んだり吐き出したりしながら、眼鏡を外した塚田さんのお顔をぼんやりと眺める。
「――?」
と、何故か初めて拝見したはずの塚田さんの裸眼のお顔にふと既視感を覚えて……その奇妙な感覚にソワソワと落ち着かない気持ちになった。
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