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本当は、貴方の隣は私じゃない誰かのために空けてあったのではないですか?と聞きたかった。
私の隣にずっと健二さんの居場所が設けられてきたように、修太郎さんのそばにも。
そう思ったら途端悲しくなって、思わずギュッと下唇を噛み締める。
(自分のことを棚に上げて、私は本当に自分勝手なのですっ)
そのことに自己嫌悪して、唇を食む力が、無意識に強くなる。
それに気づいた修太郎さんが、私の唇を指の腹で掠めるように優しく撫でてから、
「日織さん以外の女性を自分のそばに置くことなんて、貴女と出会った日からずっと、僕は一度だって考えたことはありませんよ?」
言って、唇を噛み締めたことを諫めるように、噛み締めたところにそっと指を触れていらっしゃる。
「そんなに噛んではいけません。肌に傷がついてしまう」
言って、修太郎さんは私に優しく口付けた。
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