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同時に下の方からクチュッと小さく濡れた音がした気がして。
私はその音を修太郎さんに聞かれてしまったのではないかとドキドキしてしまう。
なるべく足を動かさないようにしないといけないのですっ、と思うのに、意思に反して修太郎さんの一挙手一投足はおろか、その呼気にさえも全身が敏感に反応してしまって……身体がモジモジと動いたりしたから。
そのせいできっと、修太朗さんに勘付かれてしまったのだ――。
「日織さんは見かけによらず、とても敏感でいらっしゃる」
うっとりしたように、修太郎さんがつぶやいていらしたのだから。
私はそれが恥ずかしいことにしか思えなくて、思わず「ごめ、なさい……」と小さく謝罪する。
すると、修太郎さんがきょとんとした顔をなさって、
「どうして謝るんですか?」
と問いかけていらして。
私は思わず「……え?」ともらしていた。
私は品位に欠けることは良くないことだとずっと思っていたから。女性の身でありながら、些細なことにいちいち敏感に反応してしまうなんて……言語道断だ、と。
「……はした……ない、ので」
少しずつ、あやしかった呂律も元に戻りつつあって……それが逆にクリアになってくる思考と相まって、恥ずかしさに拍車をかける。
伏し目がちにゴニョゴニョと小声でそう言ったら、途端、クスッと笑われた。
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