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僕は父方の祖父の家に父に連れて行かれた日には、必ず嫌な思いをしたものだった。何故ならこの家には祖父以外に祖母しか住んでいなかったが、この祖母が片親育ちで貧しい家庭出身の母の事を卑下していて、その関係で僕もこの家に遊びに行く度に祖母の冷ややかな視線を受け、子供心にもそれを感じていたからである。徒でさえ僕は人見知りが激しくて内に篭り易い性質なのに、それでは心をほとんど閉ざしてしまい勝ちになるから祖母の前ではまるで啞の様に押し黙る事も珍しくなかった。
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