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犯人たちのアンポンタン
「お客様がおかけになった番号は、お相手のご都合により、お繋ぎになれないようになっています」
誤算だった。
もとより、未登録の番号は着信拒否にされていることを計算に入れてなかったのだ。少女誘拐の計画は、早くも頓挫の色をみせはじめた。
「ボス、どうしましょう。時間がないですよ」
「考えろ。今時、未登録の番号にヌケヌケと対応する女子高生がどこにいる。誘拐したコイツのスマートフォンはまだ使えるはずだろう。そこから電話をかけろ」
ボスは次の指示を出す。
「了解です」誘拐グループの一人は、女子高生からスマートフォンを奪うと、両親に電話をかけるべく、操作しはじめるが、ピタリと指を止めてしまう。
「ボス、スマートフォンはロックがかけられていて、操作出来ません」
女子高生のスマートフォンには、暗証番号、指紋認証、顔認証、パターン入力と四重にロックがかけられていた。
「ロックを解除させろ。暗証番号を聞き出し、指紋と顔を照合させ、パターンを入力させてやれ」
「了解」誘拐グループの一人は、女子高生の縄をとき、スマートフォンのロックを解除させた「妙な動きをしたら、お前を殺すからな」
「ボス、問題です。父親と母親、どちらにかけましょうや」
「こういう時に根性見せるのは、母親だ。父親は警察に通報する可能性が高い。母親にかけろ」
「ボス、電話帳とラインの無料通話、どちらでかけましょうか?」
「電話帳のが緊急性が高い。だから電話帳から探してかけろ」
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