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エレベーターで五階まで上がると部屋は、何号室かを聞いた丞。女性が発した部屋の番号まで連れていく。
女性に鍵を開けてもらい、玄関先で座り込む女性。細長いスカートを履いているせいか見えそうで見えない位置にある。
「玄関先じゃなくて、ちゃんとベッドで寝て下さい」
玄関先の壁に体を預けて寝てしまいそうな彼女の方を揺さぶる。んーっ、と背伸びをする彼女は下駄箱に力を入れて起き上がった。
ユラユラとした足取りで寝室であろう部屋へと歩き出す女性。
丞は、女性がどこかにぶつかって怪我したり足を滑らせてこけないか心配だった。玄関先に立った状態で女性の背中を見つめる。
「そんなに心配なら、入りなよ」
案外、口を悪く言えば緩い女性なのかガードがない女性なのか。
丞がいつまでも女性の背中を見つめる視線に気が付いたのか入るように施したみたいだ。
「お、邪魔しまーす」
生まれて初めて女性の家に入った。玄関先の以上に足を進める。女性がいる寝室で向かう丞は喉を鳴らした。
一体、何を期待をしているのだろうか。
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