35人が本棚に入れています
本棚に追加
***
「だって僕は童貞なんだ! 今まで誰かを抱いた事ないんだ」
美祐という女性の押しの強さに負けてしまい、とうとう吐き出してしまった。『童貞』だと・・・・・・絶対に嫌われた。気持ち悪がられた。
「ほら、太もも辺りを触ってみてよ」
美祐は臆することなく太もも辺りを触るように指示を出す。
「何か気になる部分ある?」
美祐の太もも辺りを触ると、女性にはないものがついた。丞の耳元でそっと囁いてくる美祐。
「あっ」
「わかった?」
わかった? と美祐に言われてしまい、男性だとようやく理解ができた。耳元が熱を帯びているように真っ赤だ。
「お、男?」
今更ながら性別を隠してみる。体の硬さや胸元の薄さ以外は女性にしか見えない。
「そだよ」
素直に答えてしまう美祐に逃げ出そうとする丞に「逃げちゃだーめ」とベッドに引きずった。
「うぅぅ」
今から何をされるんだと不安になる。ヤろ?と言われたわけだから男同士で、そのヤるのか。まだ童貞なのに・・・・・・男とやる羽目になるなら呻き声も出したくなる。
「ねぇ、耳弱いタイプ?」
そんなことはお構い無しに美祐が耳元に囁いてくる。吐息を混じえながら耳の奥へと入り込む声。やばい、耳が疼く。
最初のコメントを投稿しよう!